怖がる前に屋根から
地震対策 1

熊本地震で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

地震は被災して初めて当事者になります。どんなに被害が出ようと、揺れなかった地域が実際に地震で被災するまで、真剣にその事を考えることはないのが現実。

それは地域の工務店においても同じです。自分と同じような工務店が被災地にもいて、その方々が建てた建物がどうなったのか?どこがダメで何がよかったのか?。それは自分の地元が被災した場合のケーススタディであり、プロとして貴重な数少ない経験。自分のお客様の未来の地震リスクを少しでも減らそうと思ったら、見に行かせて頂くことは必然。

これはより良いビルダー選びの指針となるでしょう。現場も営業も会社の大小も関係ありません。皆さんが契約するつもりの担当者は、見に行かれましたか?

 

震度7が2回来る時代ですから、地震対策に絶対はありません。家は建てるのも壊れるのも物理ですから、物理的に正しい方法がベターな方法と言えます。逆に昔からこうだから、みんなしているからなどと言う流行や風潮の根拠がないものは判断できません。私たちはその中でも一番先に瓦に注目しました。それは毎回、地震調査に向かう時、遠くから震源地に車でだんだん近づいていくと、まだ震源地から何十キロも離れている地点で最初に確認できるのは瓦屋根が落ちる被害で、近づくと被害棟数が拡大し、近距離では倒壊する確率に影響を与え、震源地近くでも残っている家は瓦屋根じゃないことが非常に多いです。これは多くの建築学の先生も異論がないことでしょうし、事実建築基準法では瓦をのせるときは躯体の強度を上げなければなりません。逆に言えば、同じ強度の躯体なら、軽い屋根素材の家の方が地震に強いということが言えます。

 

また、地震から数週間あとに現地へ行くと、落ちた屋根瓦を修復する工事をよく見かけます。あるお宅は、中越沖地震で瓦が落ちて直し、東日本大震災で落ちて直し、竜巻被害で落ちて直されています。なぜ落ちるものを再び落ちる位置に戻すのでしょうか?地震でも竜巻でも被害の出にくい軽くてしっかりした屋根にすれば、下にいる人や車を傷つけたりすることをかなり減らせます。また地震では、多くの瓦屋根が同時に被害に遭うので、職人さんが足らず、修復が間に合いません。修復費用もそれなりにしますから、一年たってもブルーシートが掛かったままのお宅もよく見ます。本当にこれでいいのでしょうか?

 

やはり最初に瓦にしてしまうと、何故か被害にあってもなかなか変えにくいようです。家に住み続けるには定期的なメンテナンスが必要なのに、その上、余計な心配や出費の掛かる災害が予告なくやってきます。もはや日本で地震がこない地域などありません。

 

現在では、瓦の形をした鋼板とかステンレスとかチタンとかもあるようです。

建てるあなたが決めないと子供も孫も同じ被害に遭います。

これから新築される方は、ぜひその家がある限り起こり得るリスクに対する基本的な対策をお勧めします。