ヒートショックで急死1万7千人

毎年12月は、「ヒートショック・ゼロ月間」

2013.03.03

 

2013年2月3日、中日新聞一面トップに「65歳以上、年間入浴関連死1万7千人」

これを見た建築関係者の中でどれだけの人が自分の責任を感じただろうか

20年ほど前から、家庭内事故死と交通事故死は比較されてきた。

交通事故死は年間約1万人、対して家庭内事故死は1万2千人。そのうち3~4千人が浴室死で、65歳以上はその80%。

家の中の方がキケンですよというストーリーですが、この浴室での事故死3~4千人には、実は病死は含まれていない。

つまり、浴室で倒れて救急搬送後、亡くなった原因が脳血栓や心筋梗塞などの病気だったら家庭内事故には含まれず病死になる。

1万人以上いるであろうと言われていたこの入浴関連死が、東京都健康長寿医療センター研究所のおかげで明らかになりました。

しかし、この20年、自動車業界はエアバックを全車に導入や追突防止機能、ALBなど安全装備を充実させ、行政もシートベルト義務、飲酒運転の罰則強化など行い、昨年は5千人を切るという結果がでているのに、住宅業界は何をしているのだろうか。

自分が建てた家の浴室や脱衣場の寒さが原因でこれほどの人が亡くなっているのに

「少しくらい寒い方が身体が丈夫に育つ」などと言う工務店が未だにたくさんいるのに対し、少しくらいスリルがあったほうがいいからシートベルトとエアバック無しの車を販売するバカな自動車メーカーはいない。

自分の建てた家で、家族の誰かが浴室やトイレで亡くなった時、
普通にお葬式に参列するビルダーの何人が、自分の責任だと思っているのだろう。

もし少しでも誰かが思っていたら、
寒い家、いや少なくとも脱衣場と浴室が寒い家は今建ってないはずだが、残念ながら自動車業界とは違うのが現実。

今回、年間1万7千人が記事になった以上、ましてや地方紙とはいえ新聞の一面TOPにでた以上、
プロとして知らぬは罪、知ってて寒い脱衣場をつくるのは犯罪と言われるかもしれない。

自然素材を使う事と暖かい家は相反しない。

健康に暮らす事と暖かい家は相反しない。

しかし、隙間だらけでは暖かい家にはならないし、

どれほどもったいなくても換気をしなければ人は健康に暮らすことはできない。

春夏秋の気持ち良い時に開けたくなったら開ければよい

厳しい冬にこそ、外部と環境を遮断した上で、
適切に暖房・加湿をしながら新鮮な空気と日射を取り入れ、さらに負担になる光熱費をできるだけ下げていく技術が必要だ。
そもそもそのために家はあるのではないのか

日本はこの先、高齢者を国の負担ではなく財産とすることが可能であるが、

そのためには健康で長生きしてもらえるような住環境がとても重要であり、

そうなる為には地域の工務店が背負う責任は重い。

ユーザーにとって、家を建てる時、
どんな工法でどこで建てようが最後は自己判断だけれども、
その判断によってその家に住み継いでいく子々孫々の寿命が変わることを知りましょう

現に冬に何人もの命を奪っている々脱衣場という場所が日本中にあるのだから

断熱改修を含むリフォームも、正しい知識がないと非常に難しい技術ですが、
どんな工事をしてもせめて脱衣場とお風呂だけは、どの部屋よりも暖かくあるように積極的に暖房しましょう

この問題に対し、

データを見ると毎年12月が他の月に比べ、ダントツで入浴関連死が多いことから、

百年の家プロジェクトでは、2013年から

毎年12月を「ヒートショック・ゼロ月間」、

冬至を「ヒートショック・ゼロの日」とし、

今後広くユーザーにその危険を知ってもらえるように活動します。

「ヒートショック・ゼロ」のビルダー・グループを目指して

 

健康への誓い

 

省エネルギーへの誓い

 

安全への誓い