相当隙間面積=C値

(ソウトウ スキマメンセキ)

漢字が四文字以上続くと身体がかゆくなりません?

冗談はさておき、

皆さんが温かい家を建てようと思った時に、ものすごく大事な数値なのですが、世間一般的にはとてもナイガシロにされている悲劇の数値なのです。

 

まずこの数値は、その家にどのくらいスキマがあるかを示す数値で、一棟づつ完成した時に測定します。同じ材料で同じ大工さんが建てても同じ数値は出ません。

大きな換気扇のような測定器を使って室内を減圧にすると、家じゅうのスキマでは外から空気が入ってこようとするので、その時の外に出した空気の量と気圧差を計り、数値は小さいほど隙間が少ない(高気密)ことを示します。

 

スキマがあると何が起こるのか?

外で風が吹くと、風の当たった面に圧力がかかり、その反対側に引っ張る力がかかります。

家にスキマがあれば、家の中に空気が引っ張られ外にでて、風の当たった面から空気が入ってきます。これが風による自然換気、いわゆるすきま風。

また、冬に暖房すると、暖められた空気が膨張して軽くなりどんどん上昇

して天井や屋根から外に出ていきます。するとその反対の床面から冷たい空気が室内に入ってきます。

阪神淡路大震災より以前の普通の住宅のC値は、平均9.0と言われてました。

だからいくら暖房しても足元がすーすーして温まらない。こういう家はスキマが大きくC値が悪い家ということです。

昨今ではスキマさえ減らせば暖めた空気を逃がさないので、ほんの少しのエネルギーで家じゅうを暖められるようになりました。

 

そんな大事なことなのに日本の建築基準法にも省エネルギー基準にもその規定が未だにありません。

それはなぜか?

それは例えば今、C値=1.0以下の家しか建ててはいけないと規制してしまうと、ハウスメーカーはわずか二社、全国四万五千社の工務店はたった千社しか家を建てられなくなるからです。

どんな有名なハウスメーカーでも、隙間だらけの家しか建てられないのが現状。

省エネと言ったら断熱材を厚くすることしかできないのです。

いくら断熱材を厚くしようと、いくら分厚いセーターを着ていても、風に当たってセーターの中の空気が動いたら寒いのは当たり前。

断熱したら同時に隙間を減らす気密化がセットで必要なのはとっくに世界の常識。

 

高気密というと、窒息するとか息苦しいとかいう人が昔からいますが、もし本当にその通りだったら、百年の家では何百人も死人が出て、僕は逮捕されているでしょう(笑)。

世界中の建築がエネルギー資源の保全の為、省エネルギーに向かっているのに、なぜか日本の一部では、そんなナンセンスな事を言う人がいて、それを信じる人がいて、さらにそういった技術を持っている人がほとんど居ないとは、世の中うまくいかないものです。

百年の家の平均C値は、0.37次回はこの続きを