運動靴と断熱材の関係

 

人の健康や寿命に大きく関わる温度。南国は裸で良くても、北国では生きるために服が必要。家にとっての服は防湿と断熱で、防湿も断熱もない、外気と室温が変わらない寒い家は、家の中にさらに服が必要になります。

 

防湿と断熱した家で、しっかり暖房した家の中が南国と同じ室温なら裸でも大丈夫です。子供に服を着せるとすぐ脱ぎたがるように、服を着ること自体が実は人にとってストレスだということがわかっています。

さて、服は取り換えることが出来ますが、防湿と断熱は容易に取り換えられません。両方とも、温度と湿度の上下にさらされますので、なるべく耐久性が高い材料にしたいものです。

 

二十年以上前にドイツで発泡ウレタンを現場で吹き付ける断熱工事が始まりました。その後日本では、ウレタンをボード状に成型して外張り断熱材として使われるようになった後、自動車の座席を発泡ウレタンで形成していた会社がドイツの企業と提携して住宅向けの現場発泡ウレタンの断熱メーカーを始めました。

その当時、導入しようと訪問した時に、メーカーは「防湿が必ず必要です」と言っていましたが、その防湿するのがひと手間掛かるのでとても不人気でした。

 

当時は、殆どの家で断熱材など入れないのが普通だったので、グラスウールでさえ入れていないのに、さらに防湿など誰もやらなかったのです。

 

時は流れ、経産省など四省が推し進めるZEHが人気となり、今は断熱材を入れてない家はほぼ無くなりました。二〇二〇年からは、ちゃんと断熱しないと家が

建たない時代です。

 

この期間に、現場発泡ウレタンは、なぜか「防湿しなくても大丈夫」に変わり、大工さんが断熱材を入れなくても代わりに吹き付けてくれるので、人気になり十万棟を超える現場で採用されたようです。

 

しかし、加水分解はウレタンの致命的な欠陥であり、防湿が必要という原理原則はどうしたのでしょう?

 

子供の運動靴やビジネスシューズのウレタン底が、加水分解でベロっと剥がれた経験は今でも誰しもあると思います。発泡ウレタン系の断熱材を扱っているメーカーは沢山ありますが、俊足という子供に大人気の靴を製造しているアキレス社は、二十年前からアキレスボードという住宅用発泡ウレタン断熱材も発売しており、水蒸気が発泡ウレタンに入り込まないように、今も両面にアルミシートが張り付けてあります。

 

もし防湿が必要ないウレタンが発明されているなら靴は加水分解しないはずです。

 

現場で吹き付けるウレタン断熱材は近年、防湿は必要ないどころか、給放湿する素材なので防湿しませんと謳っています。

 

加水分解は給放湿によって引き起こされる化学反応なのですが、壁の中なら誰も見えないからいいのでしょうか?

 

僕が一昨年の7月に購入した履き心地のいいウレタン底の雪駄は、昨年8月に底が剥がれました。

岡崎市で新築注文住宅なら百年の家

杉浦 一広