新築を検討している方から
「外壁って、何を選んでも同じですよね?」
「外壁のメンテナンスって、結局どれくらいかかるんですか?」とよく質問されます。

外壁は見た目の好みで選ぶもの、と思われがちです。でも実際の相談で私がお伝えしているのは、
「外壁は何を使ったかで、住んでからのランニングコストが大きく変わります」ということです。

この記事では、外壁が傷む仕組み、よく選ばれるサイディングの塗り替えにかかる費用、
そしてガルバリウム鋼板が私のおすすめである理由をお話しします。

外壁が傷む仕組みと、よくある外壁材の考え方

外壁がいちばん傷む原因は、太陽の紫外線です。
紫外線が当たり続けると、表面の塗装が劣化して見た目がボロボロになります。

見た目だけの話ではありません。
塗装が傷むと防水の力がなくなり、雨水が入りやすくなります。

外壁の雨もれは、気づいた時には中が傷んでいることがある

外壁から雨が入り込んでも、それが家の中で分かるようになるまでにはかなり時間がかかります。
気づいた時には、壁の中が傷んで腐っていた、ということも起こります。

屋根と違って外壁は目に見えるので、傷みには気づきやすいものです。
ただ、早めのメンテナンスをおすすめしています。

いちばん多いのはサイディング

今の新築でいちばん多いのは、窯業系のサイディングという外壁材です。
コスト的にも安く、都市部で防火性能が求められる地域でも、防火性能のあるサイディングなら使えます。

  • メリット:外壁材の中では価格が安く、選ぶ人が多い
  • 注意点:つなぎ目のシーリング(隙間を埋める材料)が劣化するので、定期的な塗り替えが必要

外壁材のメーカーは、シーリングが切れて防水性能が落ちる目安として、7年ごとの塗り替えをお願いしています。

実際の相談でよくある「外壁は塗り替えればいい」という考え方

新築のご相談では、こんな声をよく聞きます。

「外壁が傷んだら、ペンキ屋さんに塗り直してもらえばいいですよね」

確かに、塗装が傷んでいるだけなら塗り直しで直ります。ただ、実際の工事はそれほど単純ではありません。

つなぎ目のシーリングだけを新しくしても、古い塗装の上ではくっつきません。
塗装をいったん全部剥がして、きれいにしてからシーリングをし、くっつきやすいようにシーラーという下塗りをして、それから上塗りをします。
つまり、3つの工程が必要です。

しかも足場を組みます。職人さんが何人入るかにもよりますが、時間もお金もかかります。

ローンを払っている間に、塗り替えが3回来る

メーカーは7年ごとをすすめていますが、実際は少しこらえて、10年ごとに塗り替える方が多い印象です。
それでも、35年のローンを払い終えるまでに3回です。

足場をかけて、全部剥がして、塗り直す。
1回で100万円を切ることはほぼありません。
200万円くらいかかります。

10年に1回200万円ずつかかると、5回で1000万円です。これが外壁のランニングコストの正体です。

専門家として私がガルバリウムをすすめる3つの理由

1. 30年以上もつので、住んでいる間は何もしなくていい

ガルバリウムは金属の外壁材です。屋根のお話でも出てきましたが、壁にも使えます。
トタンのイメージを持たれることがありますが、元は同じ素材でも、錆びないように防錆処理がしっかりされています。

メーカーが30年保証をつけているものもあり、基本的にはそれ以上もちます。
上からの塗装は焼き付け塗装でしっかり仕上げてあるので、ペンキ屋さんに塗り替えてもらう必要もありません。車の塗装より強いと思います。
ワックスも不要です。

最初の施工コストは、サイディングと比べてそれほど変わりません。
サイディングには安いものがありますが、その後のランニングコストまで合わせて見ると差が出ます。

どれくらい長く使えるかで割る、ライフサイクルコストで考えると、私はお金の面では最高だと思っています。

2. 水の入りにくい形にできる

ガルバリウムは金属なので、折り曲げて加工できます。
シーリングのようなグニュグニュした材料で水を止めるのではなく、曲げた形状そのもので雨が入りにくい作りにできます。

シーリングに頼らなくても防水ができるのが、サイディングとの大きな違いです。
デメリットも挙げておきます。

  • 防火地域では手間が増える:外壁が燃えにくいことが求められる地域では、内側に燃えにくいプラスターボードをもう1枚張る必要があります。
    都市部で多く、地方であれば不要なこともあります
  • 見た目が単調になりがち:玄関まわりなど一部に木を張るなど、デザインで変化をつける方法があります。

3. 質量の小さい外壁は、家の中に悪さをしにくい

外壁材は、質量の小さいものがよいと私は考えています。
質量が大きいレンガのような材料は、熱を持ちにくい代わりに冷めにくい性質があります。

外壁の内側には、空気が通る空気層があります。質量の大きい外壁だと、この空気層の中が結露するなどの作用が起こります。

ガルバリウムは朝日が当たればすぐあたたまり、すぐ乾きます。
質量のあるものは、中がなかなか乾きません。
長い目で見ると、これがよくないことを起こします。
雨が当たるとパラパラ音がするような軽い外壁の方が、悪いことが起きにくいのです。

コンクリートの打ちっぱなしで、おしゃれな家を建てたものの、夏は激しく暑くてクーラーも効かない、という話も聞きます。
外の熱でコンクリートがあたためられ、それが内側に伝わる頃には全体が熱くなっています。
空気はとても軽いので、エアコンで22度、23度にしても、熱いコンクリートには力が足りません。
冬はその逆で、ずっと寒くなります。

読者の不安に答える:外壁選びに関するQ&A

Q. 金属の外壁は、音や熱が気になりませんか?

音や熱を和らげるのは、内側の断熱材の役目です。外壁材に求めることではありません。

金属サイディングという、金属の中に断熱材が入った外壁材もあります。
ただ、外壁の内側には必ず空気層があり、空気が通ります。空気が通る層の外側に断熱材があっても、あまり意味がありません。
あたたかいダウンジャケットを着ていても、中を風が通っていたら寒いのと同じです。

この空気層をなくして直接くっつけると、確かにあたたかくなります。
でも家は早く腐ります。どんな外壁材にも空気層は必ず必要です。

Q. 色を変えたり、自分でペンキを塗ったりして楽しみたいのですが?

ガルバリウムはペンキを塗らない方がよく、塗ることもできません。
色を変えて楽しみたい場合は、木を張る方が向いています。

基本をガルバリウムにして、玄関まわりなど一部だけに木を張る方法もあります。
木ならDIY感覚で自分でペンキが塗れます。
家全体の足場を組んで塗り直すことを考えれば、1部分だけのメンテナンスなら負担も小さくなります。

アメリカンレッドシダーのような外壁材は、3年に1回ほどペンキ塗りが必要です。
でもそれを楽しめる方には、それが手をかける楽しみになります。

まとめ:外壁は「自分の家をどれだけ愛せるか」で選ぶ

外壁選びで見落としやすいのは、建てたあとにかかるお金です。
最初は安くできても、10年に1回200万円ずつかかれば、5回で1000万円になります。

私はいつもお客さんに、自分の家をどれだけ愛せるかが大事だとお伝えしています。
愛せる家なら、手もかけますし、長持ちもします。木の外壁のように、手入れを楽しんで選ぶのも一つの選び方です。

大切なのは、納得して選ぶことです。ランニングコストまで説明を聞いたうえで選んだなら、それがその方の正解です。

百年の家®︎プロジェクトでは、建てたあとにかかるお金まで見て、後悔しない家づくりをお手伝いしています。

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◆注文住宅マイスター:杉浦一広のプロフィール◆
百年の家®️プロジェクト代表
株式会社 ブルーシップ 代表取締役社長

20年で250社以上の工務店のコンサルティング実績を持つ
ただ一人の高気密高断熱コンサルタント

2004年 老舗木材屋の執行役員時代に、百年の家®️を発足。
2008年 独立起業 地域から支持されハウスメーカーより信頼される
「次世代工務店の育成」をライフワークとする。

アマゾン電子書籍 26部門1位&ベストセラー
『100年後悔しない家づくり』

◯百年の家®️プロジェクトとは?◯
世界トップレベルの高気密高断熱技術と暮らしやすさの両立を目的とした
地元工務店とユーザーのマッチング・ネットワークです。
「百歳まで謳歌する家づくり百年の家®️」を提唱。
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