地球温暖化時代の台風対策2020
やっと猛暑が終わったと思ったら
毎年、予想通り大きな台風が連続してやってきます
しっかり備えて危険から身を遠ざけておきましょう
台風が大型化して何が違うかといえば、風速です
TVで見た方も沢山おられる2019年の千葉南部被害を視察してきましたが、
皆さんが体験したことのない、想像できない勢力で来襲します
特に2020年は日本近海の海水温が昨年の27度を上回る30度です
昨年よりも勢力を増し、さらに近海まで勢力を拡大しながら全く衰えずに上陸するパターンになると予想されます
つまり今までの経験上で大丈夫だったものが
まったく役にたたないので特に注意すべき点のみ書きます
A:台風来襲以前
1、 火災保険のチェック
・台風による被害を最終的にカバーするのは「火災保険」です。新築時にわからないまま言われた通りのプランで入ってしまった、わからなくて一番安いプランにしてしまったなど、実際に被害にあったのに保険金が出なかった話は沢山ありますので、事前に範囲をチェックして、必要なら保証を広げておきます。
・大きな台風の被害で最も多いのが、瓦が飛んできて窓が割れること。この場合も自然災害なので火災と同様に自分の火災保険で元に戻すのが基本です。
車の保険も同様です
契約すればその時から効力発揮しますのでいち早く対策しましょう
2、風上からの飛来物(東・南)
・台風の風上に劣化した木造小屋などがあったら、風速60mなら全部飛んでくるので脅威です。その建物が古くて火災保険にも入ってなければお見舞金ももらえません、台風は毎年来ますので、この機会に事前に持ち主に連絡して解体などの対策をしてもらいましょう
・風上に工事現場があったら、責任者に事前に声がけしてお願いし、名刺を交換しておくと良いでしょう
・隣のゴルフ練習場が古かったら?台風対策を聞きに伺うなど、要チェックではないでしょうか?
・台風の風上に瓦屋根があると風速50mを超えると飛んできますので、特別に対策が必要ですので準備しておくことが重要になります
・瓦など屋根のチェックは、とても危険なのでお勧めしません。プロに任せましょう
3、大切なものはまとめておく
・特別警戒など避難する際にすぐ行動に移せるよう、大切なお金や金銀財宝、彼氏の写真はまとめておきましょう
4、家の弱点を補修
・サッシや雨戸、シャッターが上手く閉まらない、カギが掛からない、ガラスが割れているなどは大きな被害の元になりますので、事前に直しておきましょう
B:台風来襲3日前
1、 雨どい、ベランダの排水対策
・一般的な台風被害で一番多いのが雨どいと雨漏りです
・樋が詰まっていないか?穴が空いていないか?確認
・落ち葉や土などが詰まって水が流れないとかなりの確率で屋根から雨漏りしますので日ごろのお掃除が必要です
・普通は詰まっているので、必ず掃除して水が流れるかチェックしておきましょう(ベランダは雨水が12センチ貯まると部屋の中に浸水します)
2、 ベランダや庭に物は置かない(室内移動と固定)
・室内に持ち込めない、飛んで行っても仕方ないものはすべて固定する
・置いていいのは縛ってあるものだけ、中に入れられるものはすべて家の中へ移動するのが基本
・折れそうな枝など飛びそうなものは全部飛びますので、事前に処置
・洗濯物干しなどは風が当たらない物陰に倒して縛っておく
3、 屋外設備
・洗濯機が外に置いてある場合や外部の灯油タンクは水や灯油を貯めて重くしておく
・エアコンなどの室外機は飛ばないように上にコンクリートブロックなどの重しを乗せる
・物置は必ずアンカーを打つこと(空だと空に舞い上がる可能性もあります)
・自転車と雨戸が付いてない窓の網戸は室内へ
4、 買い物
・非常用持ち出し袋
一度用意しておけば、大切なものだけ用意するだけでいつでも持ち出せます
【食料品】
飲料水 乾パンやクラッカー、レトルト食品、缶詰、粉ミルク、哺乳ビン、ナイフ、缶切り、鍋や水筒など
【医薬品】
救急医薬品、常備薬、予備の眼鏡など
防災頭巾やヘルメット、丈夫な靴、寝る前にベッドサイドにサンダルや靴
【貴重品、お金】
現金(小銭も)、預金通帳、印鑑、健康保険証、身分証明書
【衣類】
下着、タオル、寝袋、雨具など
【日用品】
懐中電灯、ラジオ、電池、軍手、ロープ、マッチやライター
使い捨てのカイロ、マスク、紙おむつ、生理用品、ティッシュなど
筆記用具、厚手のごみ袋など
(イ) 災害が予想されたらあらかじめブルーシートや紐ロープなど買っておく
(ウ) 大きめのゴミ袋や養生テープはいろいろ使い勝手がよいので準備しておきましょう
(エ) 必要に応じて、土嚢、水嚢袋
C:台風来襲前日(第1の選択は避難です)
【重要】台風災害のほとんどの死亡者は逃げ遅れたことが原因です。
台風の規模とルートによりますが、中心気圧950hPa以下、台風の進行方向右側なら、
来てからの非難は誰かに手伝ってもらっても難しいので、「避難」を選択しましょう
■ 車の対策
1、駐車場所
・近くに2階以上の屋内駐車場があれば避難させておくのがベスト
・隣の家との間などの風の通り道が急に狭くなる(風速が早くなる)場所には駐車しない
・飛来物対策として、できるだけフロントガラスを建物の方へ向けて駐車する(フロントガラスは高いよ~保険で出るけどね)
・ただし!風が真横から車体の下に入るような置き方は転がるのでNG)
・ガソリンは満タンにしておきましょう
2、カーポート
・アルミカーポートの屋根は飛んでいくので心の準備をする(設計上そうなっています)
・飛ばないように補強してしまうとカーポートの躯体が曲がるなど被害を受けます
3、 家の対策
・飛来物による被害を避けるためには、窓には雨戸やシャッターが有効ですが、風速50mを超えると役にたたないことが多いです
・雨戸やシャッターがない場合は、板を打ち付けるなど、原始的ですが有効です
・風速40mまでなら窓ガラスは割れませんが、風速20mでもカラのペットボトルが飛んでくれば割れます
・それらの対策が出来ない場合は、あきらめて雨風が強くなる前に必ず非難します
■窓の割れと浸水対策
1、窓に養生テープを貼りましょう
・窓ガラスが割れるのは、風速20m以上でモノが当たって割れるケースがほとんどです。
割れても飛散しないようにあらかじめ養生テープを大きく×の字で貼りましょう
(ガムテープだと剥がすのが大変なので、ホームセンターで売っている窓専用テープを貼りましょう)
2、風がひどくなったら窓のスキマに新聞紙やペットシーツをつめる
・引き違いサッシは下のレール部分は全部がスキマになっていますので、風速がサッシの耐風圧の限界を超えた時にはサッシの下から水が入ってきます
・風がひどくなったら下のレール部分に吸水性のあるものを詰めておくといいです
・最近のサッシは隙間が小さいものもあるので新聞紙やペット用のシーツなどが有効です
3、シャッターや雨戸、カーテンを閉める
・シャッター、雨戸は外部の飛来物防止でカーテンはガラスが割れた時の飛散防止です
・雨戸を閉めてカギを掛けた時にゆるみがあるとスキマが出来てしまい風が吹き込み飛んでしまう可能性がありますので、きちんと締まるように調整しましょう。※ドライバー1本で簡単にできるはずです
・雨戸を仕舞う戸袋がある場合は、戸袋の引き出し口が大きく空いていたり、開閉式になっているときは、風が戸袋に吹き込むと飛んでしまうことがありますので、テープでふさいだり、開かないようにしておきましょう
・戸袋がない雨戸をつけている場合で、これまでの台風で飛んでしまったことがあるなら、雨戸は使わずにしまっておいた方がいいと思います
・サッシ用のシャッターは開口が狭いので割と強いです
4、ガラスが割れていたら事前に交換すること、かなり弱いです
実は家にあいている穴の対策(風がひどい場合)
5、マンションなどの通気口や壁に開いている24時間換気などの穴
・マンションの通気口など穴が空いている場合は、室内に雨が吹き込んで来ないように外部を養生テープで塞ぐか、室内からパテ(ホームセンターで買える粘土みたいなもの)など詰め物で塞ぎます
・24時間換気が壁に複数個ついている場合は、換気扇は止めて、雨が入ってくるようならタオルなどで詰め物しましょう
※居座る場合
風速60m以上では、家にいて、何かあったとしても実際には何もできません
消防や警察なども強風で動けないので、簡単に危機的状況に陥ります
洗濯ばさみなど何らかの飛来物で、窓ガラスに穴が空いたら、そこから風が入り込み、
抜け道がないので、あっという間に屋根が飛びます
雨量が増して道に水が溢れたら、車で避難できる可能性があるのは「水深60㎝まで」
成人男性の膝くらいまでです
■断水・停電に備える準備(キャンプ用品が大活躍)
1、水と食料
・お風呂は水を貯めておくこと
・もしも断水になった場合にトイレなど生活水に使えます
・冷蔵庫の中身は増やさないようにする
・飲料水を確保する(一人1日で3L が目安)
・食料や飲料水など停電や断水でも食べられるものを確保
・IHのお宅でもカセットコンロは必ず容易しておきましょう
2、停電
・複数の懐中電灯やロウソク、ランタンなど実際に使えるかチェックしておく
・充電可能なものはすべてフル充電する
3、その他
・下水の逆流防止
・大雨の場合、外の水位が上がるとトイレなどの下水が噴き出す可能性がありますので、トイレや洗面、お風呂などすべての排水溝にごみ袋に10L水を入れた重し(水のう)で蓋をしましょう
4、ガラスが心配な時は、ベッドにサンダルなど置いて寝ましょう
D:当日
安全な避難所にいることをお勧めします
1、 もし窓ガラスが割れたら
・何もしないですぐ部屋から逃げること
・ガラスは割れる前提で室内は片付けて置くこと
・履いて逃げられる靴を置いておくこと
2、 逃げるのが最優先
・窓が割れてしまうと大量の風が室内に入り、最悪の場合、屋根が飛ぶ可能性があります
・危険を感じたら、まず先に逃げる
・この時点での非難は死の危険もはらむ行動ということを認識して、前日に避難することを選択してください
E:もしも被害にあってしまったら
1、被害の状況を残す
・落ち着いたら写真など取れる範囲でしっかりとっておきましょう
2、該当する保険会社の担当者へ連絡
・被害の状態により現状保持が望ましい場合もありますので確認しましょう
3、修理、修繕の依頼
・被害により復旧の仕方が変わります
・室内が濡れた場合、濡れたものをなるべく早く外へ出し、いち早く乾かすことが必要です
・躯体も床下も同様で、早く乾かさないとカビが生えて二次被害が広がります
4、車が浸水してしまったら
・水が引いた後に車を取りに戻り、エンジンをかけることはやめましょう。破損や感電の恐れがあります