間違いだらけの住宅ローンの常識

・頭金は2割必要、2割あったほうが賢明、2割入れるべき
・借入負担率は年収の30%以内
・借入額の目安は年収の6倍程度
・低金利の今は住宅購入の大チャンス
・変動金利は脅威!安心安全の長期固定ローンがお勧め
・住宅ローンにおいて一番大事な要素は「年収」

 

上記は住宅を購入しようと考え行動をし始めた方が、ネットや書籍、FPや住宅業者から吹き込まれる常識といわれる情報です。

ここで衝撃の事実をお伝えします。これらはすべて何の根拠もない適当な情報です。嘘とまでは言いませんが、限りなく嘘に近い情報です。

 

contents

✖ 頭金は2割必要、2割あったほうが賢明、2割入れるべき

まず頭金についてですが、2割必要だったのはもう20年以上前の話です。公庫ローン全盛の時代です。この時代は物件金額の2割と諸費用は自分で用意しなければなりませんでした。たとえば3,500万の物件であれば700万と諸費用を200万とした場合900万が用意できないと住宅は手に入らなったのです。しかし今となっては、100%のフルローンが当たり前に、諸費用も含めた110%、リフォームも含めた120%だって借りられる時代です。それなのにいまだに2割必要とか言っている自称専門家が多いこと。現場を知らない机上の空論です。フルローンやオーバーローンを危険!と決めつける人もいますが、これもお門違いでして、例えば毎月10万円の返済なら余裕という方が、フルローンにした結果10万円であれば無理に頭金は入れずに手元資金として確保しておくべきです。何も手元資金をカツカツにして頭金を入れて、毎月を9万円にする必要はありません。大切なのは頭金の金額ではなく、毎月の返済額に無理がないか否かなのです。

✖借入負担率は年収の30%以内
/✖借入額の目安は年収の6倍程度

次に、返済負担率30%以内や年収の6倍以内という説ですが、「なんでやねん!」と突っ込みたくなります。年収だけで適切な借入額がわかれば苦労しません。こんなことはだれでもわかる話で、同じ年収500万円でも子供がいない家庭と、子供が3人いる家庭では同じ年収でも支出額が全然違います。多趣味で浪費家の過程と節約が趣味の家庭でも支出額は違います。また住宅費用に対する価値観も違います。住宅費に毎月10万を高いと思う家庭もあれば低いと思う家庭もあるわけです。つまり適切な借入額は支出とのバランスの中で算出すべきであり、年収を母数に30%以内、とか6倍以内とか全く根拠がありません。

✖低金利の今は住宅購入の大チャンス

低金利の今がチャンスというのも大嘘で、バブル崩壊後20年以上、金利はずーっと低いままで推移しています。金利が低いというのは景気の悪い証拠でありチャンスではなく、経済低迷による所得減というリスクとして捉えるのが正しいわけです。ちなみに100歩譲って低金利がチャンスということであっても、20年間ずーっとというのは「今がチャンス」というのは嘘になりますね。

✖変動金利は脅威!安心安全の長期固定ローンがお勧め

また同じ金利でも変動金利はリスクがあり、固定金利は安心というのも一方の角度からだけの視点で、偏った情報です。変動は金利上昇リスクもありますが、毎月返済が少なく済んだり、元本の減りが早い、利息負担が少ないなどのメリットがあります。逆に長期固定は金利が不変という安心感はありますが、利息負担が変動の4倍前後と重く、元本の減りも遅く、毎月の返済額も多くなる等のデメリットもあります。

双方のメリット、デメリットをよーく理解することが大事です。ちなみに変動金利が「上昇する上昇する」とこの20年ずーっと言われてきてますが、結果はほぼ上がってません。まさにオオカミ少年ですね。ちなみに変動は仕組みをよーく理解すれば怖くも何ともありません。

✖住宅ローンにおいて一番大事な要素は「年収」

最後に、住宅ローンにおいて一番大事なのは年収ということですが、これも大きな間違いです。一番大事なのは間違いなく「年齢」です。年収はあくまで銀行から借りるための(借入額を決定するうえでの)単なる指標なだけで、左程重要ではありません。

25歳も人も45歳も人も等しく35年ローンを組むケースは多いです。25歳の人は一度も繰り上げ返済をしなくても35年後に60歳ですから確実に終わります。ところが45歳の人も場合、完済年齢は80歳です。60歳以降は返すのは難しいので一般的には繰り上げ返済ですが、60歳までの15年間で完済するというのは非常に困難です。つまり25歳の年収500万と、45歳の年収1,000万は住宅ローン的にはどちらが有利かと言えば圧倒的に25歳です。45歳の方は繰り上げ返済の負担がかかります。かといって15年ローンにしたら毎月に負担が重たくなります。要は、退職までの残り年数が長いほうが住宅ローンを返すうえでは有利なわけです。ゆえに年収ではなく年齢が一番大事なわけです。